内示に気を付けろ

次期首相と言われている菅義偉官房長官は、横浜市議を2期つとめていたので、「彼を知っているのか」と聞かれる。
彼の1期目、私はパシフィコ横浜にいたので関係なし、1998年に総務局に異動したが、国際室で先生には国際事業に興味がなかったのか、ご質問はなかった。

さて、前にも書いたが、結果として彼に市会議員を下された西区の鈴木喜一先生には大変に面白いことがあった。
それは人事異動の内示のこと。
ある時、人事異動があり、その内示である方が市会の課長になり、止せば良いのに、「今度はよろしく」と鈴木議長に電話してきた。
すると鈴木先生は激怒し、人事部長に電話すると、議長会議があると熱海に行ってしまった。
すぐにM助役が来て、議長はどこに行ったのかと聞き、私は熱海のホテルを言うと、助役は熱海に向かった。
翌日、内示書を見ると、その方の市会への異動はなくなっていた。

そして、鈴木議長に聞くと、彼は視察の費用をごまかしていたのだと言うのだ。
議員には、当時年3回の市外出張が認められていて、1回は議員団ごとだが、2回は委員会全員で行くもので、委員会の担当書記ともう一人職員が随行することになっていた。
書記は、議員から旅費を預かり、諸経費を支出して残金を返す。
その際に、書記と職員は、各議員から「随行チップ」として心づけをいただくことになっていた。だいたい一人千円くらいで、職員二人で分ければ数千円と言うところで、大した金額ではない。
だが、この方はそれをごまかして余計に取っていたというのだ。
「そんな奴を市会の課長にはさせない!」と言う。
あまり裕福な家庭ではなく、苦労して市会議員にまでなった鈴木先生には、許せなかったのだろう。
それ以来、私はいつも内示が出ても、一切自分からは動かないことにしていた。

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