『ブルックリン物語』

1930年代のニューヨークの庶民を主人公としたオムニバス・ドラマ。
1話は、貧しい一家で眼病の妹を救うためにプロボクサーになる兄の話。
ギャングに八百長試合を命じられるが、セコンドと主人公はそれに反して試合に勝つ。
若者は恋人と結ばれ、ギャングにセコンドは殺されるが、妹もウィーンで目を手術してすべてはハッピーエンドになる。

2話は、ブロドウェーのプロデューサーのジョージ・C・スコットが主人公。
彼は、3歳で別れた娘に送金している。医者からは後1ヶ月と忠告されるが、新しいミュージカル制作にまい進する。
若い作曲家を発掘し、新人のコーラスガールも見出す。
最後、主人公の大女優が倒れ、新人女優を起用するが、実は彼の本当の娘であることが分かる。
彼女を起用して、大成功で初日の舞台の幕が下りる。
そのとき、プロデューサーは、医者の予言とおりに死ぬ。

古き良き時代の良くできた話であり、無名だが若くて才能がある者は必ず成功する、という神話である。
監督のスターリン・ドーネンは、大ベテランのミュージカル映画監督であり、さすがに良くできた話を上手く語っている。
2話で、いつもはパットン将軍のように、軍人などまじめな役の多いジョージ・C・スコットが喜劇的な役を喜んで演じているのが面白い。
踊りまで踊るのだから、やはりアメリカの役者のレベルは実に高い。

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