なぜトランプが出てきたのか

なぜ、4年前に大統領選挙で、トランプのような変な男が出てきたのだろうか。
理由は、いろいろあるだろうが、やはり米・ソの冷戦が終わったことが最大の原因だと思う。
1950年代以降のアメリカは、ソ連に対抗するため、それなりに人権や福祉政策を取ってきた。
その意味では、ソ連という敵に対抗するために、それなりの理想的国家を目指そうとしていた。
だが、20世紀末にソ連が崩壊してしまうと、そうした理想主義思想は必要なくなった。
簡単に言えば、アメリカ社会の「たが」が緩んでしまい、それでも平気になったのだ。
そこで出てきたのが、暴走男のトランプであり、彼の言動は信じがたいのだが、それでも敵はいないので問題なくなったのだ。
また、ソ連の崩壊で、旧東欧圏も世界市場に出てきたので、中国と共に、アメリカの市場を荒らすことになり、それでいわゆる「ラストベルト」州を作るようになったのだ。
アメリカは、特に地方の住民はともと知的水準の高くはないが、一部のエリートが高い知性で世界をリードしてきた。
それは、日本と欧米の社会の構造の違いにあると私は思う。
それは、欧米の電気機関車スタイルに対して、日本の新幹線スタイルの差である。
欧米では、一部のエリートという電気機関車が、空の客車を引っ張っている。かつてはそれが普通の形だった。
だが、日本の社会は、新幹線的で、特に一つの列車が引っ張ると言うものではなく、全部の列車がエンジンを持ち、それで高速運転を行っている。
日本の社会の教育水準の高さ故だが、それは大きいのである。

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コメント

  1. PEGU より:

    しかしトランプはイサギ悪いですよねえー。
    あんな往生際悪い人間初めて見た。