池上線

今朝の朝日新聞の朝刊のBEに、西島三重子の『池上線』が特集されていた。
この曲がヒットしたとき、「作者は池上線をよく知らないで、書いたのではないか」と思っていたが、作詞者の佐藤氏は、池上駅を利用していたとは驚いた。

確かに池上線は、蒲田から五反田までを結ぶ極めて短い路線で、車両もたった3両編成である。
本来、池上の大本山池上本門寺(だいほんざん・いけがみほんもんじ)への参拝客を輸送するための鉄道だった。

話は、ずれるが日本の鉄道は寺社仏閣との関係がきわめて強く、日本で最初の路面鉄道は、京都の市電であり、関東では現在は京浜急行の一部となっている川崎の大師線が最初である。
関西でも現在は近鉄となっている伊勢参宮鉄道が、やはり早く敷設されている。
日本最初の地下鉄も、東京の浅草と上野間である。

池上線で、不思議なのは五反田駅で、山手線への接続が池上線だけ勝手に高架になっていて、乗り換えには長い階段を上下しなくてはならない。
子供の頃から、「これは何故か」と思っていたが、実は池上線は、当初五反田までではなく、五反田を越えて、東京の山の手エリアに延伸する計画だったので、山手線を高架で乗り越えたのだ。
だが、池上電気鉄道は、経営不振で延伸が出来ず現在の路線になったのだそうだ。

今は、池上を離れて30年近くなるが、たまに池上の実家に行くと、この池上など大田区は、人口が減り、高齢化している感じがする。
かつては京浜工業地帯の中心で、労働者が多く活力に溢れた町だった。
だが、そうした勢いは相当に落ちているように思える。
いずれ、若者を主人公とした『池上線』ではなく、高齢者の『池上線』が歌われる日が来るに違いない。

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