『嘘』

阿佐ヶ谷ラピュタの白坂依志夫特集。
でも、これは3話からなるオムニバス・ドラマなので、彼の領分は三分の一で、監督は増村保造。
他の脚本家は、笠原良三と新藤兼人で、監督は吉村公三郎と衣笠貞之助だが、脚本家と監督の組合せは良く分からない。
順序から言えば、笠原・吉村、新藤・衣笠となるが。
衣笠編の主人公は乙羽信子なので、多分脚本は新藤だろう。

オムニバス・ドラマでは、1960年に『女経』という村松梢風の小説を原作にしたのがあり、出来も良く興行的にもヒットしたので、続編として3年後に作ったもの。
だが、はっきり言って、これは余り面白くなかった。
『女経』はビデオで出ているので、興味のある方は是非ご覧下さい。

増村の「プレイガール」が、5人の男の間を泳ぐ娘滝瑛子を描いて面白かったが、叶順子主演の第二話「社内2号」は、途中で結末が分かる。
第三話の「女体」は、乙羽信子の愛人船越英二殺害の本当の理由、さらにもう一人の中田康子(妻は森光子)から渡されるピストルの経路が全く分からず、犯罪ものとしては中途半端。

1話の「プレイガール」では、白坂・増村らしく、当時最先端の風俗であったボーリング、東京オリンピック直前で頻繁に行われていた東京の工事現場の様子が出てくる。
ボーリング場は、今はなき青山の東京ボーリング・センターである。

滝瑛子は、大映末期の救世主・渥美マリにそっくりなのに驚いた。
同じ会社で、メークが同一だから、そうなるのだろうか。
叶順子は、当時大学生に一番人気のあったお色気女優だが、本当に色っぽい。
彼女は、結婚して比較的早くやめた。

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