そんなに大物だったの

筑紫哲也が死んで、朝日新聞には一面に訃報が出た。
テレビのキャスターが死んで、新聞の一面に出たのは多分日本では初めてではないか。フジ・テレビの逸見政孝が死んだときも、彼は勿論フジ・サンケイだが、一面には出なかったと思う。
「筑紫って、そんなに大物だったのか」と疑問に思った。

正直言って、私はこの人があまり好きではなかった。
妻は「この人は若者に媚びている」と言っていたが、私もそう思う。
彼は、私の高校、大学の先輩なのだが、それでも好きは好き、嫌いは嫌いである。

「朝日ジャーナル」編集長時代に「新人類」で、小劇場演劇の野田秀樹、鴻上尚史、如月小春等所謂「第三世代」の連中を持ち上げていたが、本当に彼らの芝居を理解していたのか、大変疑問だった。
彼らの中では、野田秀樹以外は、ほとんどニセものだったことが現在では明確になっている。
素人だから仕方ないと言えばそれまでだが。

この人が何にでも示す「私は理解できます」という姿勢がいやだったのかもしれない。
彼は、その中身よりも、結局はルックスで随分得をしていたと思う。
インテリでソフトなルックスぬきに、この人の人気はなかったと思う。
ソフトな外見に似ず、意外と硬派の意見をはっきり言う(時々は的外れなことも多いのだが)、そうしたところが人気の源泉だったと私は思う。

いずれにせよ、タバコは良くない。
タバコを吸っていて、75歳以上生きるのは、やはり難しいのだろう。

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