レバノン映画『キャラメル』

レバノン映画と聞き、見に行くことにする。
レバノンと言えば、アラブ歌謡の女王ファイルーツの祖国であり、古代遺跡バールべック音楽祭の実況録音盤『ファクールイデーンの日』のLPを銀座の山野で買ったのが、アラブ音楽を最初に聴いたときだった。
以来、高雅に苦悶するようなファイルーツを始めアラブ歌謡の歌手には魅了されて来た。
ジャズが最高と自惚れているジャズボーカルファンの耳にの穴に、ファイルーツのベルベット・ボイスを注ぎ込んでやりたい。

キャラメルとは、足などの女性の無駄毛を取るために使う。アラブの女性は毛深いのだろうか。映画は、ベイルートの美容院を巡る女性の話である。
アラブと言うとすぐ戦争、難民、テロと来るが、かつて中東の宝石と呼ばれた美しい都市ベイルートには、西欧や日本と全く変わりのない都市生活が営まれている。
女性は、恋、結婚、仕事、別れ等に喜び、傷ついている。
そこには、戦争もテロもない。普通の都市住民である。
最後、屋外の結婚式で、アラブ独特の二拍子の打楽器の連打に合わせ出席者は踊る。
やはり、アラブ音楽はいいと思った。
映画は、レバノンで大ヒットしたそうだが、多分普通の生活を、極めてリアルにドキュメンタリーのように撮ったところが新鮮だったのだろう。
日本で言えば、昔日本ATG史上最高の大ヒットを記録した東陽一監督の『もう頬杖はつかない』の映像と演技がフレッシュに見えたのと同じだろう。
横浜黄金町シネマ・ベティ

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コメント

  1. SS より:

    ファイルーツのスペル
    「ファイルーツのベルベット・ボイス」を聞いてみたくなりました。
    youtubeにあるかもしれません。
    ファイルーツのスペルを教えて下さい。

  2. さすらい日乗 より:

    多分あるでしょう
    FAIRUZ。ファイルーツか、フェイルーツか、長年、日本のファンで議論がありました。前にアップルリンク・ファクトリーで上映された、彼女の映画では、ベイルート市民はファイルーツと発音していました。
    多数のLP、カセット、CDを出しています。仲雅巳が歌った『ポリシカ・ポーレ』、フォーク・ダンスの『マイム・マイム』も、実はアラブ・ユダヤです。
    渋谷宮益坂の入口、松家の宮益坂ビルの10Fに「エル・スール」がある。
    ここにはファイルーツのみならず、世界中のCD、DVDがある。店主の原田さんは、世界中の音楽の専門家です。電話 03-5485-9967 です。是非、見にいつてください。

  3. SS より:

    Unknown
    ありがとうございます。

    「ファイルーツ」で検索しても指田さんのこのブログくらいしか引っ掛かってきませんが、「FAIRUZ」でyoutubeを検索したら3000件以上の動画がありました。

    地方在住なので東京にはなかなか行けません。