科学技術予算を削減するのは問題

横浜市の現役の課長二人と野毛で飲んだ。
中田前市長が辞める際の内部事情は大変興味深かった。例の愛人とされる女性の意外な性格、資質についても話も聞いた。
そして、一番話題になったのが、事業仕分けである。

いつの間にか、高秀市長の側近と称していたのから、中田市長のブレーンへ、そして中田市長からも見放されると、今や「事業仕分け委員」になっておられるM氏についても、「その変わり身の早さ、話題に擦り寄る嗅覚のすごさ」も話題となった。「横浜市役所の恥」という結論になった。
だが、事業仕分けの1事業の審議時間が、1時間と言うのは十分という結論だった。
過去の予算要求での、「財政当局との折衝でも、1時間もやったことはない」との意見だった。
私の個人的体験でも、30分以上やったことはない。

だが、私は、科学技術開発予算を削減するのは、大問題だと思う。
どうも仕分け人の考えは、科学技術開発についても、常にきちんとした結果が出ないと無意味のように考えているように思える。まるで、小泉・竹中路線のようだ。
だが、科学の研究、開発において重要なことは、一つの新技術の開発の影には、膨大な失敗があることである。
そして、アメリカとの比較で言えば、日本には膨大な軍事開発がないことだ。
アメリカの軍事開発技術が、民間に転用されたことは、よく知られている。
そもそも、我々が使っているコンピューター、インターネットもアメリカの軍事技術の民間転用の成果である。
また、GPSも軍事そのものであり、医学にも多数ある。
脳の中を、長波を使って調べる装置があるが、これはまさに潜水艦を探査するソナー技術そのものである。
脳は、基本的に水であり、これは海水と同じ成分なのだから、海中に潜水している潜水艦を調べるため、電波の中で最も波長が長い長波を使い、潜水艦の映像を出すのがソナーである。
これを医学に転用したのが、脳の検査器で、これを使うと脳の血管の状況等がよく見えるらしい。
そのように膨大な開発研究費を使うのが軍事で、それ自体はほとんど無駄になるのだが、そこから民間にも転用されるなど、成果が出て来るものもある。
そこで、科学技術開発予算を簡単に削減するのは問題だと思うのである。

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コメント

  1. SS より:

    ソナー
    片言隻句に一々噛み付くようで恐縮ですがw

    ソナーは、SONAR(SOund Navigation And Ranging)ですから、音波を利用する技術です。
    長波を利用する技術は、ソナーとは呼べないでしょう。

  2. さすらい日乗 より:

    間違いでした
    確かに間違いで、超音波のエコーでした。
    脳エコー検査です。

  3. ほんだ より:

    Unknown
    よく仕分け結果をご覧になればお分かりになると思いますが、科学技術の予算が不要だとは判断されていませんよ。
    むしろ、科学技術にお金をかけることの重要性は仕分人の誰もが認めています。
    杜撰な計画のまま税金が投入され続けるのが問題だから、そうであるなら、削減すると言っているだけです。

    失敗なら、失敗であったと認めて、計画を練り直せば良いのに、失敗ではないと強弁し、杜撰な計画のまま、科学技術は重要だから予算をよこせと言っても認められるわけがありませんよ。

  4. さすらい日乗 より:

    Unknown
    それなら安心ですね。

    科学と言うのも相当に曖昧なものですから、本当の検証は難しいものだと思います。

    ともかく、この「事業仕分けショー」は、良い悪いは、別として民主党の大ヒットでしたね。

    やはり、国民の参加を促すことが、最後は一番強力なことをみなが再確認したのではないでしょうか。
    世論を見方に付けた方が勝ちですね。

  5. ほんだ より:

    Unknown
    >ともかく、この「事業仕分けショー」は、良い悪いは、別として民主党の大ヒットでしたね。

    もともとは、自民党の河野太郎チームが構想日本の協力を得て、事業仕分けを行っていたので、彼らにしてみれば歯痒いでしょうね。

    自民党が大々的に、選挙前にこれをやっていれば、選挙の結果も違っていたでしょうからね。

    そのあたりの嗅覚が、麻生さんと鳩山さんでは違っていたのですかね。
    以前、ここでも指摘されましたが、何でも自分でやろうとして自爆した麻生さん。
    何でも丸投げの鳩山さん。
    その差ですかね。