通婚圏について

職場の若い女性が結婚することになった。
忘年会で話を聞くと、知り合いの紹介による、同じ横浜市役所の人間だった。
「やはり、そうなの」と言う感じだが。

文化人類学では、「通婚圏」という考え方がある。
どの範囲から結婚相手を選ぶのか、そのエリアを対象とする。
そして、一般的に言えば、文明が進むと、通婚圏が大きくなるとされている。
確かに、近代以前の日本では、多分隣村から結婚相手を選ぶ、が普通だっただろう。
近代の日本では、見合い結婚が多くなるが、これも通婚圏は、そう拡大されたものではなかったはずだ。

そして、戦後、特にわれわれ団塊の世代からは、圧倒的に恋愛結婚が主流となる。
だが、ここでも通婚圏は、そうは拡大はされなかった。
若い男女の出会いの場としては、普通は学校と職場しかないからだ。
欧米では、これに教会というのが加わるが、日本ではないので、この二つが中心になるのは仕方ない。
結局のところ、学校と職場が、依然として若い男女の出会いの場であることは、変わりはないに違いない。
そして、見合い結婚の代わりに、結婚相談会社が成長しているわけだ。
彼らの言う「婚活」宣伝に惑わされるのが問題であるのは、言うまでもない。

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