寺山には北千住がよく似合う

先週日曜日に見たJ・A・シーザーの『奴婢訓』が意外に面白かった。
『奴婢訓』は言うまでもなく寺山修司の劇で、今回生誕70周年記念で上演された。
寺山関連作品については、2003年の『犬神』(アートスフィア)、『奴婢訓』(新国立劇場)、昨年の『毛皮のマリー』(カメリア・ホール)とあり、総て見てきたが、今回が一番面白かった。
理由は、次第に現在の役者たちのとJ・A・シーザーの演出の芝居になりつつあるからだろう。
もともと寺山の劇は、その時々の場や役者によって大きく演出を変えていたそうだ。
短歌という、その場で即興的に作品を作るところから作者となった寺山は、その場における即興的な作品作りに相当な自信があったのだろう。
だから、再上演でも、まさに「本歌取り」のように改作することが正しいのだろう。
また、北千住は東京の北である。東北出身の寺山にとっても相応しい場であった。
最も相応しくない場は、言うまでもなく新国立劇場であった。

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コメント

  1. 丸尾末広・画

    池の下公演「邪宗門」チラシ
    アングラ~~{/heart/}
    観劇記はコチラ{/arrow_r/}「徒然エッセイ&観劇記」