松尾昭典死す

松尾昭典が死んだそうだ、81歳。
訃報にも『男の紋章』等を撮ったとあるが、むしろ1960年代中盤、石原裕次郎の人気が低迷した時期に作られたムード・アクション映画に見るべきものがあったと思う。

『男の紋章』シリーズは悪くはないが、東映のヤクザ映画に比べれば、やはりバタ臭さが売り物の日活には違和感があった。

『夜霧の慕情』『二人の世界』『忘れるものか』等は、野村孝の『夜霧のブルース』等と並び、当時人気が低下していた裕次郎映画をよく支えたと思う。
特に、桑野みゆきを裕次郎映画に迎えた『夜霧の慕情』は、良かったと記憶している。
これは、確か広島が舞台で、広島ヤクザを最初に題材にした映画だと思う。

初期には、サスペンス映画の佳作『人間狩り』、あるいは吉永小百合の青春映画『私、違っているかしら』等、作品にはバラエティもあり、何でも撮れる監督だったと思う。
言わば、小型の舛田利雄、井上梅次というところかもしれない。

全盛期の日活の監督でまだ生きているのは、舛田利雄と野村孝くらいだろうか。

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