『ザ・ヤクザ』

1974年、ワーナーブラザースで作られたヤクザ映画、ロス埠頭とローマ風呂のような大浴場で刺青をしたヤクザが水中で殺されるシーン以外は、すべて東映京都で撮られたそうだ。
監督は、シドニー・ポラック、脚本は『タクシー・ドライバー』『ミシマ』のポール・シュレイダーと『チャイナ・タウン』のロバート・タウン、音楽はデーブ・グルーシン、撮影は岡崎宏三。
岡崎さんの本によれば、ポラックは、五社英雄監督の『御用金』の岡崎の映像を見て、起用したとのこと。
日本側プロデューサーは、俊藤浩治で、高倉健が主演、その他東映の連中が出ているが、脇役では待田京介や岡田英次など。高倉の兄が、ジェームス・繁田なのは、合作映画の仕方なさだろうか。
1975年の正月に渋谷パンテオンで見て、やや不思議な感じを持ったが、今回見て、全体にひどくはない。

最後、ロバート・ミッチャムと高倉健が、敵側ヤクザ岡田英次のところに殴りこみに行く。
明らかに『昭和残侠伝』だが、ミッチャムでは感じが出ない。ポラックもヤクザ映画をかなり見ていたらしい。

今回見て気づいたのは、兄と妹と思っていた高倉健と岸恵子が、実は夫婦だったと知らされるところは、不快だった。
『チャイナ・タウン』でも、脚本のロバート・タウンは、父親のジョン・ヒューストンと娘フェィ・ダナウェイとの関係が近親相姦で、「中国人など、アジア人家族では近親相姦がある」との偏見なのである。

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