『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』

松竹の女優だった早乙女愛がなくなったそうだ、51歳とは異常に若い。

彼女のような、目と鼻が中央に集まっている、所謂「チンクシャ顔」は好きではないので、早乙女にもまったく興味がなかった。
松竹は、城戸四郎氏の趣味か、この手の顔の女優(尾崎奈々など)が多かったようだ。

劇画にも興味がないので、『愛と誠』も見なかったが、1975年の『港のヨーコ・ヨコハマヨコスカ』は、なぜか封切りで見ている。
歌のとおり、横浜や横須賀にいたヨーコを探すもので、なんとも芸のないくだらないの一語につきる作品だった。

だが、最後に横浜、横須賀を去った後の、現在のヨーコが出てくる。
それが、鹿児島で普通の結婚をして、乳母車(当時はまだバギーという言葉はなかった)、を押している姿で、これは意外だったが、本当のようにも思えた。

1990年代に女優をやめ、アメリカにいたというのは、意外にも彼女の人生を予言していたことになる。
監督山根成夫は、彼女の本質を見抜いて、そういう結末にしたのだろうか。
今はなき蒲田ロキシーで、重田尚彦主演の『童貞』との2本立てで見ている。

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