梨元勝と映画

梨元勝が死んだ。
肺ガンで、タバコは吸わなかったそうだが、不摂生と肥満が原因だろう。
梨元が出た映画に、薬師丸ひろ子主演の名作『Wの悲劇』がある。
薬師丸が、パトロン中谷昇の急死(本当は薬師丸ではなく、三田佳子だが)のスキャンダルの記者会見で、他の芸能レポーターと共に出て、質問するのである。

また、出演はしていないが、1984年の映画『コミック雑誌はいらない』は、明らかに梨元勝をモデルにしている。
主演の内田裕也が演じる芸能レポーターは、例によって「恐縮です」を連発して、取材相手から嫌われ、妻の渡辺えり子とは上手くいかず、知り合った若い麻生裕未に思い入れる。
「世の中で一番嫌われている人間を主役にするなど、脚本の内田裕也は冴えている」と共感したものだ。
監督は、滝田洋二郎で、この頃はまだましだったが、今や、アカデミー賞受賞の大監督とは、驚くしかない。

梨元勝本人について、私はあまり不愉快な感じを受けたことがないので、ご冥福をお祈りする。

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