風呂場で背中を流す仕来り

民主党の中塚議員が、妻を海外視察に同行させたことが問題となった。
昭和20年代のことだが、横浜市会には、行政視察にお妾さんを連れて行った議員がいた。
4年間も議長をやり、その間には全国市議会議長会会長も務めた津村峰夫氏である。
この人は、なかなか豪快な人で女性関係も派手だったらしいが、今では到底当選できないに違いない。

私が、横浜市に入り、市会事務局に配属され、2年後に議員の行政視察に同行した。
昼の視察日程が終わり、風呂に行くと、某局の総務部長が、某議員の背中を流していた。
そのとき、ひどく不愉快な気分になり、
「横浜市役所って、こんな田舎市役所だったのか!」と落胆したものだ。
後で部長に聞くと、議員と部長は若い頃、同じ部署にいて組合青年部の先輩、後輩だったと話してくれた。
「総務部長も大変なんだな」と思った。

以前、テレビで今はなき映画監督神代辰巳が、初めに助監督として入った松竹京都撮影所には、古い徒弟制が残っていて、
「風呂に入ると助監督は監督の背中を流す、なんてことが仕来りとしてあった。
日活はそれがないだけでも自由で良かった。別に背中を流すのが嫌なわけではないが」と言っていた。
神代も同じだったんだな、と思ったものだ。

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