「スターは演技しなくて良い」

岡田茉莉子の『岡田茉莉子』は、とても面白い本である。
彼女は東宝で女優デビューし、東宝初のカラー映画、山本嘉次郎監督の『花の中の娘たち』に出た。
そのとき、山本に、
「あなたはスターなのに、芝居をするんだね」と言われたそうだ。

山本の言葉は、当時の日本映画では、主演級のスター、「特に女優は演技などしない方が良い」との考えを現している。

最近は、役者は、自分が脚本に書かれた役の方に行くのではなく、
テレビ・ドラマが典型だが、シナリオの役がそれぞれの役者に「当てはめて書かれているので、そのままの自分を打ち出せば良い」こととなってしまっている。演技や役作りなどは、不要なのである。

そこで、仲代達矢曰く、
「最近は、役作りと言うものがなくなっているが、それもあるいは正しいのかなと思っていますが」
となるわけだ。

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