『女は女である』

1961年のゴダールの長編3作目、カラー、ワイドである。
映画は、決してある物語を語るものでも、特定の主題を言うもののみではなく、ある種のエッセイのごときあり方もあることを示した映画である。
簡単に言えば、ゴダールのアメリカのミュージカル映画と愛するアンナ・カリーナへの賛辞を述べたものである。
一応の話はあるが、あまり意味はない。
ミュージックホールの踊子アンア・カリーナが、同居している男と24時間中に子供を作ることにするか否か、という構成。
だが、それはほとんどどうでも良く、様々な楽屋落ち的引用や遊びの映画である。
トリフォーの『ピアニストを撃て』や『突然炎のごとく』や、アメリカのミュージカル映画など。

私も多分、これが日本で公開された1960年代に見たら、「こんなのは映画ではない」と思っただろうが、今は映画に対して極めて寛容になっているので、これもありと思う。ゴダールって映画小僧なんだな、実は。
衛星劇場

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