食事前の動作

最近大変気になっている行為がある。
食事をする前に、両手を合わせ、指の間に箸を挟んで「いただきます」と小声で言う奴である。
あれは一体何なのだろうか。
最近の映画、テレビはおろか、実際に街中でも行われている。

だが、小津安二郎はもとより、成瀬巳喜男らの庶民映画で、こんな不思議な仕草を見たことがないし、実際私の両親をはじめ家族がやっていたのも見たことがない。
つい最近、島津保次郎監督の遺作『日常の戦い』を見たが、ここでもそんな奇妙な儀式はどこにも出て来なかったので、つい最近まで東京には存在しなかった動作だと私は思う。

映画、テレビ以外で、これを最初に見たのは、和歌山出身の女性が、1990年代に昼食の前にやっていたものだった。
彼女は、今は50代半ばなので、多分故郷の和歌山でもやっていたことなのだろう。
そう考えると、あれは浄土真宗あたりの儀式に由来しているのではないかと思う。
皆さんのご意見をお聞きしたいと思うので、是非コメントをお願いしたい。

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コメント

  1. なご壱 より:

    Unknown
    私も気になっています。
    最近テレビドラマなどの食事のシーンで、必ず手を合わせるシーンにお目にかかります。
    私が子供の時からこのような習慣はありません。この光景は、あまり愉快ではありません。じゃんけんで最近よく使われる「最初はグー」と同じで 時代の流れとはいえ、面白くありません。

  2. uhgoand より:

    水土時節
    最近めだつてはきたが特別不思議な光景ではないと思ふ
    小さい時分から箸をはさむかどうかは別にして 食前合掌をすることはみんなではないが普通にみられた
    わがふる里は本州の最西端の田舎町でむかしの藩国でいえば長門の国
    実家の宗旨は浄土真宗 葬儀法要祭祀儀礼などで人が集まり食事をする機会が数多くあつた
    子供時分はそれが楽しみの一つであつたが 合掌をする人しない人様々だつた
    また昭和20年代から30年代の初めにかけて友だちの家や知り合いの家へ行き
    家族と食事をし風呂に入りまた泊まつたりすることはよくあつた
    そんなとき自分はしなかつたが食前合掌をすることは普通で
    これらは何にかに対する感謝の意だと思ふが 万物に対する感謝
    お世話になる家に対する感謝 農家が大半の田舎だつたから豊穣に対する感謝
    それぞれ時と場面で変わつてくるのであらう
    どちらにしても宗教(浄土真宗)的なものではなく(法要や説話等でもそのやうな押しつけや講釈じみた話を聞くことはなかつた)日本の水土によるものではないか
    自分たちよりずつと後の世代 昭和30年代から40年代にかけて幼稚園小学校低学年では昼食(弁当あるいは給食)前に合掌をする光景がみられたが
    この頃から躾けとして集団教育として始められたのでは――
    家族身内ではしないが いまでも他家によばれたときなど普通にみられる光景であつて関東地方の風が日本標準でもなくそんな土地もあるということ
    でもまあそこいらの街の飯屋で日常見られるのは(水土でもあるまいに)気持ち悪いのは確か・・・・・・

  3. さすらい日乗 より:

    『山本五十六』でも
    今、公開中の『山本五十六』は、飯くいドラマですが、ここではあの儀式は、やっていません。当時は、そうだったと思います。
    山本は、長岡出身なので、東日本にはなかったものだと思います。