母物の系譜

昔、日本映画界に「母物」というジャンルがあった。
大映の三益愛子の作品が有名だが、東映でも「浪花節映画」として多数作っていたと深作欣二も言っていた。
笠原和夫に言わせれば、未だに存在していて、テレビの実録告白ものなどは、皆そうだと書いていた。
その元は、中世以来の説教説などのなるのではないかと思われる。

さて、昨日都筑公会堂に行き、北村年子という人の講演を聞いた。
本当かどうかは知らないが、妹が福島で震災に会い、県内外を避難しているとのこと。
いじめやホームレスについての体験談だったが、最後は彼女の父親が自死したことで終わった。

エンターテイメントとしてみれば、もう少し泣かせて欲しかったところだが、この日は観客が少なかったので、熱演は止めたのだろうか。
これも本来は、母物だなと感じた次第。

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