『栄光の世界  リングの王者』

1957年、石井輝男が新東宝で最初に作った作品で、ボクシング映画である。
当時のことで、ボクシングではなく拳闘と言っているが。

下町で小さな魚屋をやっている宇津井健は、ボクサーに憧れていて、昔ボクシングをやっていたが今は喫茶店をやっている中山昭二のコーチでボクシングのトレーニングを始める。
彼を励ますのは、新聞記者の伊沢一郎や、築地魚河岸の食堂の娘池内淳子など。
池内が、美しいが、大変初々しくまるで田舎娘のよう。

そこに立ちはだかるのが現チャンピオンの細川俊夫で、彼には最初は簡単にKOされるが、二度目の挑戦で宇津井は細川に勝つ。
細川俊夫は、丹波哲郎の本によれば、実際にボクシングをやったこともあり、当時すでに30代を超えていたが大変締まった体つきで、パンチも鋭い。
実際にボクシング・ジムのコーチを受けたようで、ボクシングのシーンはなかなか迫力がある。
最後の試合ではレフリーに林国治が出ている。
林は、ボクサーからレフリーになった方で、フジ・テレビのボクシング番組では解説もしていた。
かなり偏った解説だったが。

作品としては、下町人情ものにアクションが絡むという感じで、同じ新東宝の中川信夫に似た庶民映画である。
フィルム・センター

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コメント

  1. なご壱 より:

    Unknown
    細川俊夫は、確か競歩のオリンピック選手だったと思います。