杉田の横浜海軍航空隊跡が出ていた 『白昼の惨殺』

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今回の武智鉄二特集で、実は一番見たかったのは、川口小枝が出た、二流アクション映画の『白昼の惨殺』だった。
ここには、杉田の埋立地に、戦時中にあった横浜海軍航空隊のような大きな建物が出ていたはずで、その記憶を確認したかったのである。
主人公の安藤昇とその弟の平井昌一が、戦後住んでいる空襲後の廃墟として、大きなレンガ作りの建物として出てきた。
そこは、1970年代に取り壊されて、現在は神奈川県警機動隊等の宿舎などになっている場所である。

映画は、どうといこともない安藤昇の迫力だけにおんぶしたヤクザ映画であるが、脚本は星川清司なので、筋の運びは快適で、結構見られた。
実は、この作品は、蓮沼のヒカリ座で、1967年の3月に、大島渚の『日本春歌孝』、井上梅次の『かまきり』と3本立で見ているのだが、この梅津明治郎監督の作品は、途中から見て、ラストまで観なかったらしく、今回見て初めて設定と終わりの惨殺が分かった。

平井昌一は、建築家で、師匠の建築家・伊藤雄之助の弟子だったが、伊藤の愛人の川口小枝の日陰の身に同情して出来てしまう。
伊藤は、フィリピンでの国際コンペに入賞するが、それは平井のアイディアを盗んだもので、さらに伊藤は、業界のボス二本柳寛や政治ゴロの石山健二郎たちと結んでいて、悪どい商売に手を染めている。
平井が、伊藤たちと組んでいるヤクザに殺されると、安藤は、白昼、多分横浜の海岸通りのようだが、伊藤と二本柳をナイフで堂々と惨殺するのである。

杉田の他、磯子のプリンスホテルの旧館など、かなりの場所が横浜でロケショーンされており、その意味では結構律気に作られている作品だった。
監督の梅津明治郎の名は、その後横浜にある、某同和団体(解放同盟ではない)の機関誌の執筆者として、2000年代もその名を見るようになる。
多分、梅津は監督として、部落解放同盟の反差別映画で、狭山事件を題材とした『造花の判決』を作ったことがきっかけとなったのだろうと思う。
大変真面目なエッセイだったが、「彼の前身を知っている者など、これを読んでいる行政の中にはいないだろう」と思うと複雑な気持ちになった。
シネマ・ヴェーラ渋谷

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