白鳥金丸が負けた理由


オリンピックのボクシングで、メキシコ大会以来のメダルが取れるようだが、日本人でボクシングで金メダルを取ったのは、東京大会バンタム級の桜井孝雄だけである。
だが、この時、桜井よりも、遥かにメダル候補と言われていたのが、早稲田の学生でライト級の候補白鳥金丸(しらとり かなまる)選手で、彼はボクシング・チームのキャプテンでもあった。

大学の終わりの4年生の時、早稲田特有の夏の速成授業で、体育の単位をボクシングで取ったとき、先生が白鳥金丸だった。
とても面白い人で、オリンピックのボクシングの記録映画を上映するなどとても楽しい授業だったが、彼は自分がなぜメダルと取れなかったについても正直に話してくれた。

理由は二つあり、一つは外人選手の態度の大きさに圧倒されたこと。
彼らは代々木の選手村の道路の真ん中を堂々と歩いていて、それだけで日本人選手は圧倒されて負けていたというのだ。
彼らは、競技よりも女性ハントに精出す者も多く、選手村の芝生の上で抱き合うのなどいくらでもあり、当時は純情だった白鳥君は寝られなくなったそうである。

さらに、試合の前日の夜中に、桜井孝雄が選手村にいないと分かり大騒ぎになり、キャプテンの彼は東京中を探すことになった。
すると桜井は、渋谷のバーで酒を飲んでいたのだ。
そんなことで白鳥選手は調子を狂わせてしまい、二回戦でメキシコの選手に負けてしまったそうだ。
だが、そのメキシコ代表は、銅メダルを取っているので、強いボクサーだったのだが。

やはりオリンピックのような国際大会では、実力も当然だが、それ以上に精神的な強さ、図太さこそが重要だということだろう。

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コメント

  1. Unknown より:

    クッキーママ
    「村田諒太選手が48年ぶりにボクシングで金メダル」とうニュースを聞き、白鳥先生のことをふと思い出し、ネット検索をしていたところで、指田さんのブログをみつけました。

    私も数十年前に白鳥先生のボクシングの授業を受けておりました。

    ボクシングに興味があったわけでもは無く、バイトに明け暮れ4年になるまで体育実技の単位が取得できずにおりましたので、「女子は1年間ゴングを鳴らすだけで優がもらえる」という、根も葉もない噂を信じて白鳥先生の授業を選択した訳です。が、運悪くその年は他にも女子学生が1名おり、1年間みっちりボクシングをする羽目になりましたが・・・
    白鳥ファイティングスクール、懐かしい青春の思い出です。

  2. 私は夏休みだけですが
    コメントありがとうございます。
    私は、芝居のやりすぎ(劇研にいました)で、6年で卒業したのですが、その4年目にサッカー、5年目にボクシングを夏休みの速成授業で取りました。
    でも、大変面白い授業でした。
    もともとボクシングは好きだったのですが、さらに興味をもちました。