こんな程度でも公開していた作品 『君たちがいて僕がいた』

この程度のデキの映画でも公開していたという東映東京撮影所のレベルの低さの見本のような1964年の映画。

当時、青春映画は絶対に日活で、東映や松竹は古臭いので見なかったのが、あらめて正解だったことがわかった。

舟木一夫のヒット曲に合わせた青春映画で、共演は本間千代子、千葉真一、新井茂子、堺正章など、タイトルには、住田知仁(風間杜夫)の名もあったが、どこに出ていたか分からなかった。

地方の高校に赴任してきた教師千葉真一と舟木一夫の姉で芸者の宮園純子との恋愛をめぐり学園と町中に騒動が起きるもので、『青い山脈』である。

原作は富島健夫で、脚本は池田一朗と山本英明。

日本の学園ものは、ほとんどが『青い山脈』か『坊ちゃん』になるが、どちらも地方が舞台で、ここでは海と城が見えるので、どこかと思うと予想どおり小田原だった。

俳優は結構豪華で、高峰三枝子、佐野周二、岡村文子、須藤健、明石潮、杉狂児と言ったベテランも出ている。

ともかく本間千代子は、当時は吉永小百合と争うほどの人気のアイドル女優だったが、なんでこのように貧相なルックスの女優に人気があったのだろうか、今見ると実に不思議。

相手役の舟木一夫も、本質的に暗いので、映画は少しも明るく楽しくならず、その上東映東京のカラー画面がどんよりとしているので、少しも弾まない青春映画である。

唯一さすがと思わせたのが、堺正章と杉狂児の笑いのタイミングの上手さで、これは天性のものだろう。

帰り、幡ヶ谷で飲んでいると地震、結構揺れ、家に戻ると1冊本が落ちていて、ポルトガル語の教科書だったので、CDが飛び出ていた。

阿佐ヶ谷ラピュタ

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