『蒐集奇談』が出た

先週、神保町シアターで山田五十鈴の『母なれば女なれば』を見た後、東京堂に寄る。

『レコード・コレクターズ』の人気連載シリーズの岡田則夫さんの『蒐集奇談』が本になってあったので、すぐに買う。

ついでに岡田さんのお店も見に行くが、5時近くで閉まっていたので、フィルムセンターに行き、日活多摩川撮影所(大映東京撮影所)竣工式の記念フィルムと山中貞雄の『河内山宗春』を見る。

撮影所竣工式は、ほとんど堀久作の演説で、音声もきちんと聴こえたが、『河内山宗春』はなぜかピントが甘く、イライラした。

フィルムセンターは、ときどきピントが合っていないことがあるのは、実に困ったことだ。

帰りの電車の中で早速岡田さんの本を読むが実に面白い。

先週末にお祝いの電話と共に、お話を少し聞くと、連載の全体の25%くらいが收められているようだ。

ファンとしては本当は全部を入れてほしかったところだが。

岡田さんは、学生時代から、日本全国、沖縄まで本当に足で歩いて中古のSPレコードを蒐集されている。

しかも、その範囲が、岡田さんの本命の落語などの芸能ばかりではなく、諸芸能や果てには校歌、社歌、あるいは様々な訓練や営業用のレコード等も蒐集されている。

そして、そこから見えるのは、岡田則夫さんの人柄の良さである。

私は、昨年初めてお会いして、即座にその人柄に感動したが、この本を読めばすぐに分かるに違いない。

近年、中高年の趣味として広がっている骨董品収集の指南書としても大変有意義な本であることも間違いない。

普通の書店では置いていないそうなので、是非ご注文で取り寄せを。

ミュージックマガジン社 2,520円

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