『ろくでなし稼業』

1961年、石原裕次郎がスキー場事故で足を骨折して長期休養に、赤木圭一郎がゴーカートで事故死して、日活ダイヤモンドラインが崩壊しかかったとき、悪役専門だった宍戸錠を主演に格上げした作品。

相手役は、二谷英明で、この二人が田舎の町にふらっとやって来る。

山が迫っていて、漁港があるので、伊豆あたりだろうと思うと、下田で撮影されたようだ。

二人は、ボロ船を爆破するところから会って、それぞれが敵対しつつ、助け合うといういつもの日活の筋になる。

この映画は、30年くらい前に、川崎にあった銀星座という映画館で見たことがある。

銀星座は、既にないが、川崎のミスタウンの入口のパチンコ屋の二階にあった。

館内は、階段状で、100人くらい、主に東映や日活のアクション映画が多かったが、時には東宝の青春映画も上映し、ここで内藤洋子の映画をよく見た。

当時、田中小実昌さんが、この映画館にもよく通っていたらしく、「この地域には内藤洋子のファンが多いな」と書かれていた

私は、古い日本映画を見るために、よく銀星座に通っていたが、雨の日は行かないようにしていた。

理由は、今はシネマジャック&ベティになっている横浜大勝館も同様だったが、雨の日になると、所謂風太郎が雨宿りに来るのである。

隣に座られたりすると、汗が雨と体温で蒸れて異様な悪臭を放つのである。

なるべく雨で暑い日は、行かないようにしていたが、いつの間にか、銀星座もパチンコ屋もなくなった。

さて、『ろくでなし稼業』だが、最後は宍戸、二谷、そして沢本忠雄らの善玉が、金子信夫、小沢栄太郎らの悪玉に勝って終わる。

吉永小百合も出ているが、珍しいのは、歌手で森サカエが出ていることで、ジャズ歌手として結構有名な女性だった。

彼女は、落語家の三遊亭小円馬の妹で、小円馬は大部前になくなっているが、森サカエさんはまだご存命のようだ。

やはり女性は強い。

フィルムセンター

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コメント

  1. 梅村武史 より:

    連絡が取りたいのですが
    東京新聞の記者です。1つコメントをいただきたくて連絡方法を教えていただきたいのです。
    メールいただければ幸いです。
    umemr.t1@chunichi.co.jp