桜の映画

今年は、桜の開花が異常に早く、首都圏では今週末には満開になるようだ。

桜が出てくる映画と言えば、鈴木清順監督の『けんかえれじい』だろう。

高橋英樹が、マドンナ役の浅野順子と一緒に歩く場面の上に咲いている桜の花は、彼の短い幸福な青春を象徴していて、非常に美しい。

だが、もっと美しい桜のシーンがある映画は、川島雄三監督作品1961年の『花影』である。

池内淳子の美しさが忘れがたく、大岡昇平の原作通りの菊島隆三の脚本で、池部良、有島一郎、高島忠夫、三橋達也たちを遍歴するが不幸な主人公。

最後、自殺する直前に、再会した池部良と「今夜だけ遊んであげる」として、青山墓地の夜桜を二人で見に行く。

もちろん、造花だろうが、巧みな照明に浮き上がる桜が、岡崎宏三のカメラに見事にとらえられている。

川島雄三と言うと『幕末太陽傳』とくるが、あれは新生日活の総力の結集の成果であり、むしろ川島雄三の本質は、この風俗映画によく出ていると思う。

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