『ゴッドファーザー』

あまりに暑いので、映画館に避暑に行く。

朝10時の映画祭を上大岡でもやっているので行くことにする。

『ゴッドファーザー』は、見ていると思っていたが、英語の学習教材でさんざ勉強させられたので、見た気になっていたが、見たのは『PARTⅡ』だった。

そこで憶えたのは、「サスペンド・ザ・センテンス」で、執行猶予だけだったが。

言うまでもなく、イタリア人マフィアのファミリーの姿を描くもので、マーロン・ブランドのドン・コルリオーネの娘タリア・シャイアの結婚式から始まる。

ここには、黒澤明の『悪い奴ほどよく眠る』の冒頭の結婚式のシーンにヒントを得ているとの説があるが、確かにあるだろう。

だが、コッポラらが強く加えたのは、明るい屋外の結婚式の裏で、部屋にシェードを掛けて殺人の依頼を受けているドン・コルリオーネの暗い生活である。

1945年、ちょうど第二次世界大戦が終わった時で、兵役に就いていた三男のマイケル(アル・パシーノ)も帰還してくる。

前半は、マーロン・ブランドと長男ジェームス・カーンを中心に進み、フランク・シナトラを思わせる人気歌手の映画界進出への恐喝などが出てくる。

だが、クリスマスの夜敵のファミリーからブランドが撃たれたあたりから、次第にマイケルの比重が大きくなり、敵のボスを射殺した彼はシシリーに逃げる。

ここで、有名な『愛のテーマ』がやっと奏でられる。

日本では昨年なくなった尾崎紀世彦が歌ってヒットした『愛のテーマ』である。

シシリー島で、マイケルは島の娘と結婚するが、彼女は敵によって爆殺されてしまい、ジェームス・カーンも、妹の夫の裏切りで殺されてしまう。

マイケルは、ニューヨークに戻り、昔の恋人ダイアン・キートンと結婚し、ファミリーのドンになる。

ロバート・デュバル、ジョン・カザールなど、良い俳優が多数出ていて、さすがに出来は重厚である。

それにしても、マイケルが非情に敵のボスを射殺するなど、ここにも戦争を経てきた世代の冷酷さ出ており、戦争の重さが見える。

上大岡東宝シネマズ

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