雑司が谷に行く

副都心線で雑司が谷に行く。ここは、都電荒川線で通ったことはあるが、歩くのは初めてで、行くことにしたのは、みちくさ古本市が開かれていると聞いたため。

だが、今日は前夜祭で本番は日曜日、しかも暑いので、本部テントで、『名作で歩く 東京・下町・山手文学散歩』と『日露戦争・勝利のあとの誤算』を買ってトークイベントに行く。

全国の古本屋を廻ってブログを書いている小山力也さんと一人出版社で今度『全国本屋図鑑』を出した島田潤一郎さんのトーク。

全国を廻って収集しているといえば、SP盤の岡田則夫さんが有名で、似た話もあるが、本屋の方が衰退がひどいようだ。

古道具屋や骨董店は、時代の流れに本来的に背を向けた業態なので、世の流れとは違うものがあるようだが、本屋は時代と社会に関係している。

小山さんは、横浜の竹山団地の出身で、最近訪れたが、かつて八百屋以下すべての業種があった団地商店街は、飲食店、マッサージ店、ドックカフェ等に代わり、本屋はなくなっていたそうだ。本や雑誌は、近くにできたららぽーとに車で行って買うようになっているとのこと。

島田さんからは、全国で昔の本屋が残っているのは、離島ぐらいで、利尻島は人口5、000人だが、2軒の書店があり、島民は週刊誌等を買いに来ているとのこと。

利尻島には、コンビニがないそうで、やはりコンビニは、日本の昭和を破壊している。

お二人によれば、「全国に比べて、東京と京都だけは例外だ」とのこと。

それは、やはり東京と京都には、大学、専門学校が多いことによるのではないかと私は思う。

横浜で、昔ながらの町の様相を残しているのは、白楽と金沢八景で、そこは神奈川大学、関東学院大学と横浜市大がある。

大学は、毎年新入生が入ってきて、若者の集団が形成されているので、それに合った町が残されることになる。

古本屋、古レコード屋、家具店などがまだあるのは、横浜では極めて珍しいことである。

古本屋も古レコード屋も、横浜の伊勢佐木町に数多くあったが、今は完全に全滅した。

お二人共、基本的には車は使わず、電車と徒歩で全国を廻っておられるとのこと。

実に幸福そうだった。

帰りに鬼子母神にお参りしようかと思ったが、まだ暑く、しかもトークイベント会場の下が地下鉄の駅で、すぐに乗れる誘惑に勝てず、副都心線に乗ってもどる。

今日から吉野町は、お三の宮のお祭りでにぎわっているが、私は本来の住民ではなく、所詮は余所者なので、氏子になれないのは残念だが。

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