猪瀬ピエロの結末やいかに

猪瀬直樹東京都知事が、「借用書はこれだ」として紙片を記者会見で見せたが、疑惑はさらに深まるばかりである。

金額と自分の氏名、住所、貸付人名だけで、担保も返済期限もない。

これは何を意味するのだろうか。

担保は、東京都知事という広範で強大な職務権限であり、返済期限は4年間という知事の任期である。

つまり、4年間の任期の間に、病院等の設置に際して便宜を図ってくれという意味であり、贈収賄に該当する案件だろう。

贈収賄に場合、地方の木っ葉役人では、工事等の入札で数十万円で起訴される例もあるのだから、5,000万円なら、十分贈収賄に当たると思われる。

東京地検特捜部の奮起が待たれるところである。

と同時に、今事態の推移を見守っている政治家に生活の党の小沢一郎がいると思う。

猪瀬は議員をバカにして、今まで都議会議員には頭を下げてこなかったので、このままではいずれ都議会自民党からも見放されて、知事辞職、そして都知事選挙になると思う。

来年の2月頃にやれば、新年度予算審議にも間に合うので、この辺が期日になるのではないか。

このとき、小沢一郎は誰を担ぐだろうか。

私は、元新党改革の代表の舛添要一ではないかと思う。

今回の、5,000万円贈与の事実は、検察は昨年の段階で知っていたというので、どこかからそれを舛添要一は聞き、それを見越して、彼は7月の参議院選挙に、党を解党し自分も出なかったのかもしれない。

そうだとすると、大変に先を読んだ動きだったわけだが。

彼の経歴については、信州大時代は全共闘議長だったと言われるが、要はそのときの調子の良いものに付いていただけではないだろうか。

道路公団改革の委員になった時も、自分から小泉純一郎に売り込んだのだそうだから、さすがと言うべきか。

この時の猪瀬の言動の問題については、同じ委員の田中一明氏が『偽りの道路公団改革』で詳細に暴いているが、それでも堂々と東京都副知事、都知事になったのだから、この男の面の皮の厚さは誠に凄い。

いずれにしても、威張りん坊で、強きに弱く、弱きに強い、「不正義の味方」猪瀬直樹の化けの皮がついに剥がれたのは、良いことで、まさにピエロ的である。

猪瀬直樹と言うと、前知事の石原慎太郎とよく比較されるが、その言動の攻撃性は、この二人は共通しているが、完全に違うところがある。

それは、石原慎太郎には、いい意味でお坊ちゃん的な愛きょうがあり、基本的に明るいことだが、猪瀬直樹はいつ見ても暗いことである。

それは、若い頃は全共闘運動をして、一応反体制的だったのが、いつの間にか権力側になったことの疾しさに起因するのではないかと思う。

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