『裸足の青春』と『潮騒』の差異

映画『裸足の青春』の原作は、火野葦平だが、脚本は手堅い作風の井手雅人であり、これを見ると、『潮騒』の三島由紀夫の特徴もよく分かった。

それは三島の小説は、元にしたというギリシャ神話のごとく、主人公の二人の現実のバックグラウンドの描写はあるが、相当に抽象的であり、観念的であることだ。

それに対して、映画『裸足の青春』では、二人の家の階層、宗教、職業などの実態が非常に細かく描かれている。
小説と映画のシナリオの差でもあるが、やはり三島由紀夫の特異な資質によるもののように思える。

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