松本健一、仙石由人、川本三郎

先月11月27日に麗沢大学教授で思想家の松本健一が亡くなった。その直前に彼の著書『官邸危機 内閣官房参与として見た民主党政権』を読んだばかりだったので、少々驚いた。
松本は、丸山真男から北一輝、吉本隆明に至るまでの戦後思想家の著作を吸収する中で、近代日本の政治思想へのかなり独自の考え方を披露してきた。
そして、日本と中国との関係改善に自己も関わる中で書いた本を仙石由人議員が読むことで、民主党の外交政策へのアドバイザーになって行く。
その後は、個人的にも仙石、さらに川本三郎とも交流を深めて行ったようだ。この3人は、学部は違うが、東大で同じドイツ語のクラスになったことで、当時から交際ができていたようだ。川本は、1学年上だったが、外国語は学年と関係なく取れたので、3人が一緒になる。

当時、仙石も松本も地方の高校出の田舎者で、吉本隆明、埴谷雄高らを高校生時代から読んでいた川本の都会のお坊ちゃんぶりがまぶしかったとのこと。
「へえ、そんなものか」と思うが、1960年代は、まだ地方と東京との差はあったのだろう。
松本は、膨大な著作を残しているが、あまり読んでいないので、これから少し読むことにしようと思った。

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