ニュートーキョー地下で見た関根恵子

有楽町のニュートーキョーが閉鎖されることが話題になっているが、ここの地下に映画館があったことはでこにも出ていないので、書く。
大映の封切館のスキヤバシ映画があった。
このスキヤバシ映画で見たのは、市川雷蔵の名作『ひとり狼』で、大感激したものだ。
もう1本は山本薩夫の『怪談牡丹灯籠』で、山本も随分と変わった作品を作るものだなと思ったが、そう悪くないできだった。

その後、大映が潰れると東宝シネマ2になった。
1976年5月に、トリフォーの『アデルの恋の物語』をシネマ2に見に行くと休憩中、ロビーにすごくかわいい子がいた。
よく見ると関根恵子だった。現在の高橋惠子である。

『アデルの恋の物語』は、遊び人の軍人に失恋して、頭のおかしくなったアデル・ユーゴーが彼を求めてカナダから、大西洋の小島にまで行く話である。
その数年後、関根恵子は、芝居をキャンセルして恋人と海外に逃亡した。
「まるでアデルだな」と思った。

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