『鉄砲伝来記』

特別に若尾文子のファンではないが、何もすることがなく、森一生監督作品で見ていないので、新宿まで行く。

戦国時代の終わりに、種子島に鉄砲が伝来し、刀鍛冶の金平(東野英治郎)が、苦心の末に鉄砲を作るまでの苦心談で、主演は東野である。

領主が内藤武敏で、漂流し着いたポルトガル人の船長を保護し、彼から鉄砲を借りて、刀鍛冶の東野に作らせる。

史実とは少々違うらしいが、ポルトガル人船長が、アメリカ人俳優リック・ジェーソンで、英語で話すのには非常に戸惑う。

刃金を鍛えて丸い管を作り、火縄に火をつけて発射するが、管は、割けてしまう。刃金をつないだのが間違いだと東野はすぐに分かり、細い鋼を管に巻いて作るが、今度は元が割けて飛んでしまい、東野自身が弾を胸に受けてしまう。

すると、船長が、通訳の中国人戸浦六広と現れて、外科手術してくれ、東野の娘の若尾と次第に心を通わせるようになる。

どうしても元の強化ができず苦悩する東野だが、あるとき管を叩くと、元の蓋が回って外れる。

ネジで止めていたのであり、当時日本にはネジがなかったのだ。

鉄砲が無事で来て、領主に献上され、さらに堺の商人小池朝雄によって堺で大量に製作するようになり、織田信長(藤巻潤)は、鉄砲で天下統一へと進む。

だが、火薬の爆発で弟子が死に、戦争で大量の死者が出たことを知り、東野はもう鉄砲は作らないことを決意する。

若尾は、当然のごとくジェーソンとできて、子を産むが、ジェーソンはポルトガルに帰ってしまう。

数年後、戻って来た時、船を見ようとして崖に行った若尾は、足を滑らして落ちて死んでしまう。

この辺は、平和主義者の森一生らしいところであり、当時の日本の常識だったと言うべきだろう。

森一生にしては、メリハリのない凡作と言うべきか。

                                            

原案が、、数年前に亡くなられた岩波ホールを始めた高野悦子だが、どのように彼女が関わっていたのかは、不明。

来年には、市川昆特集もするとのことだ。

角川シネマ新宿

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. uh-goand より:

    Rick Jason
    「リック・ジェーソン」とはCombatのRick Jasonのことでせうか
    彼が本作に出演した経緯が分かれば教えていただきたい
    ・若尾の引き立て役?
    ・本人の売り込み?
    ・Combat人気への便乗?
    ・Combat放映終了の一時的つなぎ?
    等々・・・

  2. さすらい日乗 より:

    理由は分かりません
    『コンバット』のリック・ジェイソンです。
    なぜ出したかは分かりませんが、一応人気があったからでしょう。
    大映は、当時海外へ映画を売っていた(『座頭市』はブルース・リー映画のヒントになった)ので、その意味もあったかもしれません。
    香港は、英語圏ですから。