小津と原節子は無関係

今回、『小津安二郎の悔恨』を出したというと、必ず聞かれるのが、

                               

「小津安二郎と原節子は関係があったのか」である。

確かに、原節子は111本の映画に出ているが、彼女の映画として普通に思い出すのは、『東京物語』などの小津安二郎作品だろう。

だが、原節子は小津作品には、たった6本しか出ていないのである。

それが原節子というと、すぐに小津安二郎映画というかといえば、やはり小津と野田高梧が、脚本を彼女にあてはめてうまく書いているからである。

                                

私は、小津安二郎と原節子はまったく無関係だったと思う。

理由は、年齢差である。小津は1903年生まれで、原は1920年と17歳の年齢差がある。

今は、歳の差婚があるが、昔はそんなことはなかったので、あり得ないことだったと思う。

小津の日記には、「このところ、原節子との結婚話、しきり」と書かれているが、これは松竹の流した宣伝だったと思う。

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