『新選組始末記』

新選組にも坂本竜馬にも興味はないが(『竜馬が行く』は最初に単行本が出たときに読んで面白いと思ったが)、市川雷蔵主演、大映京都作品で新選組物の決定版とのことで見に行く。

                    

期待度通りの力作だった。ただ、最後の池田屋は、この映画のように大きくはなくて殺陣は自由にできるものではなく、非常に狭いところでやられたもので、東宝で三船敏郎主演の『新選組』の方が、実際に近いそうだが。

京都で、偶然近藤勇と知り合った雷蔵の山崎は、近藤の人柄に惚れて新選組に入隊する。

そこは、田崎潤の芹沢鴨が局長の乱暴者集団だったが、近藤(城健三郎、若山富三郎)と土方歳三(天知茂)は、芹沢らの水戸藩出身の連中を粛正して隊を整え、京の評判も回復する。

そして、長州藩など攘夷派結集の噂を聞き、祇園祭りの宵山の夜、池田弥を6人で襲って勝つ。

行き方を様々に迷いながら、新選組で活躍していく雷蔵が素晴らしい。

最後、池田屋騒動の翌日の朝に残されている死体には、戦中派で夥しい兵士の死を見てきた監督三隅研二らしい映像である。

斉藤一郎の音楽が少々うるさかったが、さすがに大映京都で、祇園の描写など京都の撮影所作品らしい雰囲気がある。

フィルムセンター

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