『グッバイ・ベルイマン』

先日は満員ではいれなかったので、昼過ぎに行くが60番代だった。

食事後に、喫茶店で休んで行く。

                                       

「グッバイ」の題名だが、むしろ「ハロー・ベルイマン」で、彼の生涯と作品の多くの監督等のインタビューによる紹介である。

イングマル・ベルイマンは、私には苦手な監督で、『不良少女モニカ』『第七の封印』『沈黙』『野いちご』などを見ているが、その暗さと性的抑圧への苦悶のすごさには、ついていけないものがあるからだ。

中では、『第七の封印』『不良少女モニカ』には、非常に感動したが。

特に、『第七の封印』は、1950年代の米ソの冷戦時代の核戦争の恐怖を描いた作品で、大変に優れたものだと思う。

インタビューには、マーティン・スコセッシの他、ウッディ・アレン、コッポラ等が、ベルイマンを称賛している。スコセッシは、多くの国の映画を見ているので、意外ではないが、コッポラもそうだというのは、やや意外である。

スコセッシは、外国映画が好きで、今村昌平に傾倒しているのは有名である。

作中で、誰かか忘れたが、世界の大監督として、フェリーニ、黒澤明と並びベルイマンを挙げていたが、これは興味深いことである。

なぜなら、黒澤明とフェリーニは、共に第二次世界大戦で負けたことと、戦後社会の混乱の中で作品を作った来た監督である。

また、スエーデンのベルイマンは、戦後の欧州世界で一番の問題だった、米ソの冷戦下の核戦争の恐怖を鋭く描いた監督だった。

1970年代以降、彼はやや不振となり、一人で島に住むようになるが、生来の精神的なものもあったようだ。

1990年代以後回復し、大作『ファニーとアレキサンドラ』では、世界的な成功を収める。

『ペルソナ』と『ファニーとアレキサンドラ』は、いずれ見てみようと思った。

日本の映画関係者では、北野たけしだけがインタビューされているが、仕方ないことなのか。

ユーロスペース2

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