『クリード』 丸山和也というバカは、これを見てどういうのだろうか

昔、パロディ映画に『フライング・ハイ』があり、2作目だったが、空港の廊下に貼ってあるポスターに『ロッキー・20』があり、よぼよぼのスタローンがやっと立っているというもので、大笑いしたことがある。

1970年代から製作を重ねられてきた『ロッキー』シリーズの久々のというか、スピン・オフ作品で、60代のスタローンを戦わせるのは無理なので、ロッキーと対戦して死んだアポロに息子がいて、彼をコーチして・・・という筋になっている。

            

ボクシング映画だが、ボクシングのシーンは、最初のメキシコでの草ボクシングの他、ロスのジムの期待の星との闘い、ラストのリバプールでの現チャンピオンのコンランとの世界戦の3回しかない。

しかし、アクションの他、恋人、音楽、さらにロッキーの病気などの様々な仕掛けで、ドラマをだれない様に続けていくのはさすが。

そして、世界戦へのトレーニング、地元フィラデルフィアの下町でクリードがランニングをすると、バイクの若者たちが並走してきて、『ロッキー』のテーマが高鳴り、町から町へと展開していく。

「まるで1950年代の東映映画で、ここで観客全員の拍手だな」と思う。

多分、アメリカでも館内は大拍手だと思うが、ガラガラの横浜ニューテアトルでは、拍手は起きなかった。

1970年代から見て、大きくアメリカ社会が変わったと思うのは、主人公の若者が黒人であることだろう。

もともと、最初の『ロッキー』には、スタローン、妻のタリア・シャイアなど、多くのイタリア系の人間が係っていたのだが、ここでは主人公の描き方に現在の米国が表現されていると思う。

それは、クリードはボクサーのアポロの血は引くが、裕福な義母に育てられ、高等教育も受けている。

最初、メキシコでアマチュアレベルのボクシングをやっているが、どうやら弁護士事務所のような高給の会社に勤務していて、それを辞めてプロ・ボクサーになることである。

それは、オバマ大統領に象徴される、アメリカにおけるアフリカン・アメリカンの地位の向上であり、丸山和也という意味不明なことを言った馬鹿者は、これを見てどういうのだろうか。お聞きしたくなった。

横浜ニューテアトル

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