別邸、ホテル、有料老人ホーム、そして撮影シーン。

仕事の宴会で磯子の「横浜プリンス・ホテル」に行く。西武グループの再編で、これも6月末に閉鎖、後は有料老人ホームとの噂。

元は、東伏見宮が結核になったための転地療養の別邸で、奥に建物がある。

戦後、ホテルになり、米軍等上流階級が使った。当時の姿は、渋谷実の映画『やっさもっさ』に出てくる。昭和40年代までは8ホールのゴルフ場もあったが、住宅公団に売却され、残りは駐車場になっている。

昭和35年の「スーダラ節」の映画『日本無責任時代』で、植木等が最後に社長になり、披露パーティーをするのが、このプリンス・ホテルの庭園である。
カメラが俯瞰すると、崖の真下が埋立て以前の根岸湾であることに驚く。
また、プールもあり、神代辰巳の映画『青春の蹉跌』の最初のシーンで、萩原健一がローラー・スケートで掃除をしていた。今のホテル棟が建っているあたりである。

別邸からホテル、そして有料老人ホームとは、日本における保養施設の大衆化の歩みを象徴している。

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