伝統芸能と現在形のドラマの差

昨日の午前中は、リオ・オリンピックの開会式を見るが、さすがにブラジルだけあり、全編に音楽が散りばめられていた。

ゼゼ・セッチ・カマルーゴ&ルシアーノも出ていたが、NHKのアナウンサーは触れず。ブラジルと言えば、ボサノーヴァとくるが、本当はブラジルで一番人気なのは、セルタネージャという地方的な音楽なのである。

カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジルなども出てきて、最後のピアノはトム・ジョビンの孫だった。トム・ジョビンは、非常に尊敬されていて、リオにはトム・ジョビン空港もあるくらいだ。

かなり長いイベントだったが、生物の誕生から人類とブラジルの歴史を豊かな色彩で描いたのはすごかったと思う。

                           

                 

これに対して4年後の東京五輪では、誰が演出して何をアピールするのだろうか、今の日本に世界に言うべきメッセージってあるの?

午後は、弘明寺の大岡地区センターで、「魅惑の国ブラジルの音楽」

我々が初めてブラジルに触れた『黒いオルフェ』の映像から、ルイス・ボンファ、ボサノ―ヴァ第一号のジョアン・ジルベルトの『デサフィナード』、さらに少し戻ってディック・ファーニーの『死ぬほどサウダージ』

これらはボサ・ノーヴァの序章のようなもので、実はブラジル発で世界中でヒットしたバイヨンが出てくる『カンガセイロ』 これは昔、ポルトガル語を習っている時に、高木考先生にもらったビデオ。

日本では江利チエミがバイヨンを歌っているのだが、映画『七変化狸御殿』で、美空ひばりが歌っているのには、堺駿二の踊りの上手さと共にみな驚嘆。

セルタネージャの映画『フランシスコの二人の息子』を部分上映し、こういう「演歌的」な音楽が実はブラジルのメインストリームであることも紹介する。

最後は、MPBで、ガル・コスタとトム・ジョビンのそれぞれのライブ映像。

この講座のテーマは、ブラジルの多様性だが、音楽でも同様であることは、お分かりできたと思う。

そして、今朝は甲子園の高校野球の開会式を見るが、これは日本の「伝統芸能」である。

                          

ナチス式敬礼がないのが良いが、何十年も変わらぬ儀式であり、日本人はこういう儀式性が大好きなのである。

つまり、ブラジルの現在形の音楽とドラマと日本の伝統芸能の差異だった。

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