富士にはソフトクリームがよく似合う

このところ、正月は旅行に出ている。正月番組の三流芸人が出てきてのお笑い番組や箱根駅伝が嫌いなので、家から出て行くのである。

富士山周辺や房総半島の行ってしまったので、今年は北の八ヶ岳に行くことにした。

まずは、横浜駅西口から八ヶ岳リゾートアウトレット。

結構シャレたアウトレットらしいが、ファッションに興味のない私は、アウトレットで行ったことがあるのは、金沢のベイサイドマリーナのだけだが、この八ヶ岳もよく見ると夜店や屋台的なものであることが分かる。

それなりのハイソな雰囲気の造りだが、ここの欠点は、「ご神体」がないことだと私には思えた。

神社仏閣の町では、必ずまずは最初に詣でるべきご神体に行き、その後に土産物等を買う。そうした行動がここにはないのは問題だと思えた。

そこから清泉寮という所に近い高台に行く。

清泉寮とは、米国人の牧師ポール・ラッシュが開いた八ヶ岳高原の施設だそうで、その端の店付近からの南アルプスの景観はよかった。

はるか遠くに富士山が見える。

昭和初期だそうだが、ポール・ラッシュという米国人宣教師が、当時は未開の地だった清里高原に来て、教会をはじめ様々な事業を行ったのは、凄いというか、余計いなお世話というべきか。

それにしても英米人の底力と体力は凄い。2年前に亡くなった、私と一緒にウォーマッド横浜をやった田村光男は、1980年代に「オペレーション・ローリー」というイベントをやったそうだ。

それは、大阪南港に集合して石垣島に行っていろいろな活動をするものだったが、平気でやっている英米人に対して、日本の若者は南港に来るところで、顎を出す者もいたとのこと。

本当にイギリス人の体力は凄いと思う。わざわざ、イギリスからアフリカ、中近東、そしてアジアまで来て、冒険と開発とキリスト教の普及を繰り返してきたのだから。このポール・ラッシュという人は、戦後東京裁判にもかかわったそうで、ただものではないようだが。

富士山の周辺に行くと、必ずソフトクリームを売っていて、夜の酒が不味くなるなと思いつつ、食べてしまうことが多いが、清泉寮の売店で食べたソフトクリームは、なかなかに美味しかった。

夜は八ヶ岳ロイヤルホテルで、夕食は例によって大広間でのバイキングなので、言ってみれば「イナゴの日」状態だが、私は食い物にはものを言わない主義なので、「まあこんなものだろう」と思う。

ただ、終始奇声を上げる赤ん坊がいて、さすがにすべてが不味くなった。

私は子育てもしたことがあるが、これほどの迷惑はひどいと思う。別の部屋にご案内して会場からはご避難いただかせるべきだと思った。

部屋は非常に広く快適だったが、なぜか非常に暖かくて参る。結局は窓を開けて寝る。

まあ、良い元旦の一日だった。

翌日は、例によって水晶とキムチの工場の見学、どちらも山梨行くと大抵案内される場所で、ほとんど香具師的な語り口で販売するもの。

驚いたのは、この水晶の店は、数年前に来た時とは大きく異なり、広く倍くらいになっていることで、大変に儲かっているのだと思った。

昼は甲斐と言えば武田信玄の信玄館と恵林寺で、恵林寺では去年亡くなった根津甚八が演じた黒澤明の映画『影武者』での従者に因んでお参りをする。

勝沼ワイナリ―では工場見学だが、正月でラインは動いていなくて、やや拍子抜け。

最後は、相模原のさがみ湖イルミリオンで、昔は相模湖ピクニックランドと言ったのがリニューアルした遊園地らしい。

全く期待していなかったが、ここが最高だった。

その良さは、イルミネーションがまったく芸術性を求めていないことで、ただ明るく楽しければよいとしていることだった。

勿論、行ったことはないが、ニューヨークのコニーアイランドのような庶民的な場を狙っているように思えた。

結局、自分の大衆的通俗性を再確認した旅行だった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする