『流星に捧ぐ』から『愛と死を見つめて』へ

紀伊国屋サザン・シアターで山田太一作、木村光一演出の『流星に捧ぐ』を見る。
山田、木村作品で、アルツハイマーになった大邸宅に住む老人山本学が、ネットに書き込みをしたことから起きる話で、最後は予定調和的だが、大変出来の良い芝居だった。
主人公の元大学教授の山本学の痴呆状態(認知症)が一種ブラック・ユーモアでもあった。
ネットといい、認知症といい、このコンビはいつも時代に極めて敏感な作品を作る。硬直化している新劇にはない良さである。

山本学が認知症の老人とは。
彼は、今週に草薙剛、広末涼子でリメークされる『愛と死を見つめて』のテレビでの主人公だった。相手は大空真弓。
この大ヒット(東芝日曜劇場で1時間づつ、2回、2時間ワクで放送されたと思う)で、日活で吉永小百合、浜田光夫版(脚本八木保太郎、監督斉藤武市)も作られ、当時日本映画では空前の最高配給収入25億円の大ヒットになる。
青山和子の同名主題歌も日本レコード大賞を受賞する。

主人公の大島ミコは死んでしまうが、河野マコは生き、その後カメラマンを目指すが成功せず、いろいろあったが、現在は企業コンサルタントとして成功されているそうだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする