レコードはかなりダサいものだった 『何が彼女をさうさせたか』

高円寺円盤の岡田則夫さんの「SP巷談」に行く。久しぶりだったが、今回は昭和4,5年のレコードで、もちろんSP盤である。

浜口雄幸首相の演説『経済難局の打開について』から、

昭和5年に開催された「帝都復興祭」の祝福歌の徳山たまきの『帝都復興祝歌』まで。

いろいろと面白いものばかりだったが、中では映画『何が彼女をさうさせたか』の主題歌の羽衣歌子のレコードが一番興味深かった。

というのもこのSP盤は、非常にダサい和風な曲調なので、映画の結構モダンな感じとは全く異なるのだ。

この作品は、三流映画会社だった帝キネこと帝国キネマが唯一放った大ヒットで、最高作品で、私もCSで見たが、女性の遍歴ものだが、非常に優れたものだった。

岡田さんのお話では、映画より先にレコードは作られていたのではないかとのことで、従来の帝キネ作品の雰囲気でSPは作られたのではないかとのこと。

因みに帝キネは、松竹の出資というか、白井家の出資によって松竹の傍系の新興キネマになるのは、映画史を知っている者には周知の事実だろう。

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