『サムソン』

川崎市民ミュージアムでは、昨年10月に亡くなったワイダを追悼してポーランド映画祭を行っている。

映画『サムソン』は1961年の作品だが、ずっと日本では公開されず去年公開されたそうだが、見ていなかったので、行く。

武蔵小杉駅のバス停に着くと大変な人出で、仕方なくタクシーで会場に行くが、バスケットボールの試合のためとのこと。

話は、1939年、ユダヤ人青年が大学に入学すると、ユダヤ人排斥運動があり、その集会でのトラブルで無実の罪で看獄に入れられてしまう。

だが、ドイツの侵攻で、獄は解放されて町に出られる。

しかし、今度はドイツ軍がポーランドを占領し、ワルシャワのユダヤ人はゲットーに閉じ込められ、彼もゲットーに入れられるが、反抗して外に出て、秘密の隠れ家に逃げ、女性と同棲する。

さらに、秘密組織の幹部がいるビルに移るが、そこでは秘密のビラや機関紙が印刷されている。この機関紙の名が「近衛兵」となっていて、右翼なのかと思うが、勿論共産党系で、これは日本語字幕の間違いだろう。

そのビルにもナチスの残党狩りが来て、ばれそうになった時、彼はナチに手榴弾を投げ、自分も死ぬ。

サムソンとは言うまでもなく、旧約聖書のサムソンのことで、無双の力によってポーランドのパルチザンが、勝利したことを意味している。

ワイダ独自の非常にコントラストが強く、さらに最初から最後まで異常な緊張感を持っている画面が凄い。

川崎市民ミュージアム

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