『続々禁男の砂・赤いパンツ』

『禁男の砂』シリーズ第三作、監督岩間鶴雄。主演は泉京子と大木実だが、小山明子がからんでくる。

房総の漁船に流れ者大木が乗り込んでくる。
漁村は、海女と一般の漁業。
泉に対立するのは、網元の息子須賀不二夫や海女の瞳麗子など。
例によって、海女同志のアクションや、衣が濡れてのチラリズムなどあり。

赤いパンツとは、画家小山明子が穿いている赤いショートパンツ。
不漁続きの船に小山を乗せたところ、大漁になり、「赤いパンツが豊漁を呼ぶ」と大騒ぎになる。
海女らも、対抗し全員が赤いパンツを穿く。

『七人の侍』の野伏りの馬が崖に並ぶように、砂丘の上に赤パン海女がずらっと並び駆け下りてくるシーンがある。
本気なのか、遊びなのか、少々不明なシーン。

小山は恋人が死んで傷心だが、実は彼を誤って大木が「正当防衛」で殺害したものであることが分かり、恋と殺人の二人の苦悩。
そこに恋人の友人だった渡辺文雄が来るが、渡辺の大芝居がおかしい。
最後、須賀を大木が銃で打ち、自首して行くところで終わり。
シリーズ三本目で、相当に話は苦しくなっていた。

最後に、大木が『真昼の決闘』のテックス・リッターの歌う主題歌のごとき曲を歌って去る。
すでに、この時期日活は、裕次郎・旭で若々しいアクション映画を作っているのに、大木、須賀ではじじ臭くて、およそ勝負にならなかっただろう。
フィルム・センター

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