アイバ・戸栗氏死去

アイバ・戸栗とは(正確にはアイバ・戸栗・ダキノ)、”東京ローズ”である。
東京ローズとは、言うまでもなく太平洋戦争中、日本軍がアメリカ向けに放送していた謀略放送「ゼロ・アワー」の女性アナウンサーの愛称。
本当は7人いたと言われているが、調査の結果戸栗氏だけが探し出され、逮捕、裁判にかけられ懲役刑に服した。

実は、この「ゼロ・アワー」がどうようなものだったか、日本側には資料はほとんどないが、アメリカには全部ある。
アメリカは、この放送を傍受し、すべて録音していたのだ。
このこと一つをとってもアメリカと日本の国力と資料調査に対する姿勢の格差を感じる。

そして、この録音は、ドキュメンタリー・レコードで有名なレディオラからレコード『TOKYO ROSE』(MRー1076)として出されている。
そこには、番組の録音の他、戦後の逮捕時のインタビュー、映画化されたときの主題歌等が収められている。

実際の番組はニュースの他、リクエストによる(一体誰がリクエストしたのか)レコードなど、現在のラジオDJと同じ。
音楽はレコードが多かったようだが、中には実演もあり、森山良子の父親森山久、かまやつひろしの父ティーブ・やまやつなどの二世ミュージシャンの演奏もあった。
当時、日本国内はジャズの実演は完全禁止だったが、皮肉なことに軍の謀略放送ではジャズが演奏されていた。
両面の写真も映画化のときの主演女優の写真と日本軍の謀略ビラ等で、大変貴重なものだが、写真ができずここにコピーできないのが残念。

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