最高と最低だった

今年のコンダ・ロータ・フェスティバルは、「ラマダンの夜」で、10月2日の昨日は、パキスタンのファイズ・アリー・ファイズとイランのカイハン・カルホール。ファイズ・アリーは最高だったが、カルホールは最低だった。

イスラム教の宗教音楽カッワーリーは、今はなきヌスラット・ファテ・アリ・ハーンの大活躍で世界的に注目され、日本に何度も来日し、我々に感動的な舞台を残した。
ヌスラットが亡くなって早や10年、現在最高のカッワールといわているのがファイズ・アリー・ファイズで、この日も「アンラーフー」から始まり、力強く神々しい歌声を聞かせてくれた。
評論家中村とうようさんは、カッワーリーをイスラム教のゴスペルと呼んでいるが、久しぶりにに心が洗われる感動的な時間だった。

胡弓のようなイランの伝統弦楽器カマンチュのカルホーンは、アラブの置琴サントゥールのシアマック・アガイエとのデュオだったが、実に退屈で、何んの構成、工夫もない即興演奏だった。
なんと公演1時間で1曲、出来の悪い環境音楽で、映像がなければ持たない音楽だった。
何故、ずっと演奏したのかと言えば、途中で演奏を切ると、余りのつまらなさに皆席を立ってしまうからに違いない。

西欧で、ヨーヨー・マをはじめクラシックやジャズの連中と共演しているらしいが、本当にばかばかしい音楽だった。
普通は弦を弓で弾くのだが、最後には指でピッキングして演奏するに至っては「馬鹿野郎」と言いたくなった。
コンダ・ロータの主催者のカンバセーションは、今やよく頑張っていると思うが、時々こういう変な連中を招聘してくるのは、実に困ったものである。
こういうのを、まさに玉石混交と言うのだろう。

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