『花影』

大岡昌平原作、川島雄三監督、池内淳子主演の東京映画作品。
池内が、美術評論家池部良の愛人をやめ、元の銀座のバーの女給に戻り、弁護士有島一郎、テレビ局のディレクター高島忠夫、会社社長三橋達也等を遍歴するが、最後は自殺する話。
実は、大岡昌平の愛人だった女性が自殺したことを基にしているのだそうだが、実に良く出来ている。
脚本菊島隆三。

また、キャスティングが最高で、これは東京映画という、当時の5社協定の外にあった一種の「独立プロ」だったから出来たことだろう。
新東宝が倒産し、池内淳子を東宝で再度売り出す際の映画だが、彼女が大変美しく、また愛嬌がある。

貧乏でいつも池内から小金を借りていて、だが池内が一番惚れている男で、骨董評論家が佐野周二で、これもとても良い。
実は青山二郎のことで、小説が出たときは関係者間で大問題になったそうだ。

岡崎宏三のカメラが大変素晴らしく、最後近く、夜桜を池部良と池内淳子が見に行くシーンがとても美しい。
日本テレビ

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