『火まつり』

1985年に中上健次脚本、柳町満男監督、北大路欣也主演の作品。
熊野で樵をしている北大路のところに、海に海中公園を作る話が来て、町が揺れ、北大路らと漁師の安岡力也等との対立等が散在的に描かれる。
三木のり平、大地喜和子ら、すでにないスターも出ている。
紀州犬、猿や鳥の狩、そして火まつりとエピソードは豊富だが、ドラマが低調で、最後北大路が母親、姉、自らの子供らを猟銃で殺し、自分も死んでしまう筋が全く理解できない。
漁師と樵の対立には、部落差別の問題があるのだろうが、そこも不明確。

結局、脚本が作家の中上先生だったので、多分誰も「これは何ですか、こんなじゃ分かりませんよ」と言えずに撮ってしまった作品だろう。封切りの時も意味不明だったが、今回見ても全く同じで、見る方は大変迷惑。
武満徹の音楽のみが良かった。
川崎市民ミュージアム

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