『舗道の囁き』

戦前の昭和11年に、ジャズ・シンガーのベティ稲田、タップ・ダンサーの中川三郎の主演で制作されたが、戦後の21年に公開されたという音楽喜劇。
監督と助演が鈴木伝明。制作の加賀四郎は、女優加賀まり子のお父さんで、戦後は大映のプロデューサーだった人。

話は、アメリカから帰朝した稲田が悪徳興行師により騙されるが、中川、鈴木らの力でジャズ・シンガーとして再起する、という他愛のないもの。
だが、ベティ稲田の歌と中川のタップは今見ても立派なもの。
昭和10年代にすでにこの水準だったと再認識する。
最後、交通事故で死んだ鈴木を埋葬するシーンは横浜の外人墓地で、ここは現在と全く同じに見える。戦時中も横浜の山手は空襲されなかったのだから当然だが。
フィルム・センター

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする