レンタル・ブック

先週の新聞には、TSUTAYAがマンガ本のレンタル、コミック・レンタルを100店舗で展開すると発表した、とあった。

2002年11月に雑誌「出版ニュース」で、『貸与権を整備してレンタル・ブック』を書き、この問題を最初に提起したものとしては、「やっと予言が実現したか」という感じだ。多分、今後他のレンタル・チェーンにも波及し、マンガはレンタルで読む時代になるだろう。

本のレンタル、貸本は江戸時代からあり、というよりつい最近まで日本では、本は買うよりも借りて読む方が主流だったのである。
本や雑誌を買って読むようになったのは、高度成長期以後の、つい最近のことである。
岡本喜八の映画『江分利満氏の優雅な生活』には、息子が貸本屋で漫画を借りるシーンがある。
また、川島雄三の代表作『幕末太陽伝』にも、絵草子等を配本に来る貸本屋の金蔵・小沢昭一が重要な役として出てくる。
東京だが、私が子どもの頃、家には毎月貸本のチェーン店の人間が来て、芸能雑誌を置いき、前月のものを回収して行った。

2000年頃に、本や雑誌が売れない原因として、図書館の整備やマンガ喫茶の影響が喧伝されたが、すべて嘘だったのである。
その証拠に、今日そんな「公共図書館の無料貸本屋論」などを唱えるものなどは、どこにもいないのである。

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